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みちくさスケッチ24 ひみつの世界へ誘う野菊のヨメナ

【みちくさスケッチ 第24回】
 
日常的に、草花スケッチを続けているくさはらかなさん。
その活動が、ご自身の創作絵本にもいかされています。
 
この時期目にする、気になる草花について、
イラストエッセイで綴っていただきます。
 
毎月第4木曜日に更新予定です。
 

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「今日はあれを描こう」と決めて出かけても、
途中で面白いものを見つけると、つい足が止まってしまいます。
地面にしゃがんで観察を始めれば、
描きたいものがまた増えたなぁ・・・とため息。
そんな私からの「みちくさスケッチ」の報告です。

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【ヨメナ(嫁菜)キク科】
見られるところ・・・主に本州の中部地方から西の地域、四国、九州

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学校帰りの道ばたで 草をかき分け探したのは
ひみつの世界の 入口に咲く花
どきどきしながら 摘んだそれは
家についても 手の中にあった
 
今日もまた 見つからなかったなぁ

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昔読んだ童話集の中に、主人公の女の子が
「のぎくのレストラン」に招待されるお話がありました。
秋の森の中、薄紫の花に囲まれたレストランで、
女の子は黄金色のホットケーキや花を浮かべたソーダ水を味わい、
幸せなひと時を過ごします。
レストランという言葉が時代を感じますね。
今なら「のぎくカフェ」の方がなじみやすいかもしれません。
 
お話に憧れた私は、秋がくる度に、
薄紫の花を探して摘んでいました。
いっぽうでどの図鑑にも「のぎく」という名前はなく、
何だかすっきりしないまま。
・・・それもそのはず、
これはいくつかの野生種の菊をまとめてそう呼んだもので、
ひとつの種類をさす名前ではなかったのです。
 
のぎくの仲間はどれも良く似ており、
かつて摘んだ花がヨメナだと分かるまでに、
ずいぶん時間がかかりました。
春の若芽が食用として親しまれていますが、
このことだけは摘み草料理の絵本で知っていたので、
秋に花を咲かせた姿と、すぐには結びつきませんでした。
 
今回の原稿を用意して、
のぎくのレストランへの憧れがまた甦っています。
ホットケーキとソーダ水は用意できますが、
いちばん肝心な花畑はどこで見られるでしょう?
今住む街も故郷も、
秘密の世界をかくしてくれそうな森や林がどんどん減っていて、
ちょっぴり寂しくもなるのです。

 
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連載は、今回が最終回です。
2年間、本当にありがとうございました!

みちくさスケッチ前回(第23回)はコチラ。


くさはらかなさんのseedbooksを販売しています。
くさはらかなさんの商品ページへ


 
【筆者プロフィール】
 
くさはら かな
 
京都の大学で日本画を専攻。
卒業後に身近な野草や樹木、木の実など、自然を題材にした絵本作りを始める。
画材は色鉛筆、透明水彩。
時々は、大好きなミツバチを絵の中で遊ばせて、楽しむこともあります。

 

みちくさスケッチ23 味覚の秋の要注意!ヨウシュヤマゴボウ

【みちくさスケッチ 第23回】
 
日常的に、草花スケッチを続けているくさはらかなさん。
その活動が、ご自身の創作絵本にもいかされています。
 
この時期目にする、気になる草花について、
イラストエッセイで綴っていただきます。
 
毎月第4木曜日に更新予定です。
 

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「今日はあれを描こう」と決めて出かけても、
途中で面白いものを見つけると、つい足が止まってしまいます。
地面にしゃがんで観察を始めれば、
描きたいものがまた増えたなぁ・・・とため息。
そんな私からの「みちくさスケッチ」の報告です。

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【ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)ヤマゴボウ科】
見られるところ・・・やぶ、林のふち、空き地など

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「きてきて、ここにも木の実があるよ!」
「すずなり、すずなり、みごとだね」
「たべられるかな?」「どうかな?」「おいしいかな?」
手を伸ばしかけた だれかさん、
つまみぐいは 厳禁です!

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秋が本格的に始まるころ、この黒い実のふさを見るたびに、
子供のころの思い出がよみがえる人はいませんか。
「ブドウだ」と思いこんで摘み取り、
そのうちに手や服のどこかを紫色に染めてしまったことなど・・・。
 
これからの季節、自然の恵みを目でも舌でも味わう機会が増えます。
でも、野山で何か「おいしそうなもの」を見つけても、
“毒がないか”をしっかり確かめなくてはなりません。
そしてこの草も、身近すぎて警戒感がまるでありませんが、
全身に毒を持っています。
 
すでにご存じの方もいれば
「昔、ままごと遊びの途中で舐めちゃった!」
という方も多いことでしょう。
私も、この実で遊んでいた頃は当然知らなかったはず・・・。
よくぞ「味見」しなかったものです。
いろいろ調べると、実の柔らかい部分だけは、
鳥に食べてもらうために毒性が少ないらしいという情報もありました。
毒入りの種の部分だけ、ふんと一緒に出されるわけですね。
いずれにせよ、人には真似できない芸当です。
 
気をつけさえすれば、この草からも季節の楽しみをもらえます。
秋のはじめに美しく紅葉し、
あざやかな赤紫の茎にいくつも実をつけた姿は壮観です。
 
でも、来年はぜひ、夏に花が咲くころの姿も見てみてください。
緑の葉とピンクの茎、白い花がさわやかでなかなか良いもの。
その姿について一つのイメージしかない植物でも、
季節を変えれば新しい一面に出会えますよ。

 
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(次回は、10月27日(木)更新予定です。)

みちくさスケッチ前回(第22回)はコチラ。


くさはらかなさんのseedbooksを販売しています。
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【筆者プロフィール】
 
くさはら かな
 
京都の大学で日本画を専攻。
卒業後に身近な野草や樹木、木の実など、自然を題材にした絵本作りを始める。
画材は色鉛筆、透明水彩。
時々は、大好きなミツバチを絵の中で遊ばせて、楽しむこともあります。


 

グラフィック社さんの新刊「日本のブックカバー」

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【2016.9.7 第1回】

「日本のブックカバー(グラフィック社)」
天牛堺書店さんのブックカバーが掲載されました。 

 
新しいサイトになってから、
それまでのブログを閉鎖したので、
以来、個人的な出来事なんかは
非公開のフェイスブックに投稿していたんですけど、
(といっても無精なので、ごくたまに)

そこから話題を転載するだけなら、
途切れずに更新できるかも?というので、
ちょっとずつ個人的なことや、店主として以外のことも、
残していこうかなと思います。
(まずは、月1回くらいの頻度で)

今回は、天牛堺書店さんのブックカバーについて。
今年の春から新しいデザインになったんですが、
堺にお住まいの皆様、ご存知でしょうか?

グラフィック社さんの今月の新刊
「日本のブックカバー」という本に、
地元書店の天牛堺書店さんのブックカバーが
掲載されています。
掲載されたこのカバー、デザイン担当として、
私もちょこっとお手伝いさせて頂いたものなのです。

つーる・ど・堺さんが商標登録している
「堺柄」というのがありまして、
前方後円墳や燈台、自転車や路面電車などなど、
堺の名所や名品・産業などをPRするために考案されました。

「堺柄を使って、この紙とこのインクでカバーを作りたい」
というご依頼を、昨年のちょうど今頃いただきました。
私は、その条件下で堺柄をどう見せるか?という
具体的なご提案の部分でお手伝いしました。

私が果たした役割はごくごく一部なんですけれど、
天牛堺書店さんの地元愛と堺柄の魅力を伝える
お手伝いをさせてもらえたこと自体、
関わらせて頂けて、とっても嬉しかったお仕事でした。
それに、何といっても天牛堺書店さんは、
学生の頃から馴染みのある書店さんなのです。
よく泉が丘店と三国ヶ丘店に立ち寄ってました。
(現在泉が丘店は閉店されたそうです)

ブックカバーの配布が始まって半年くらいでしょうか、
こんな形で沢山の方にご覧いただける機会を頂けて、
またまた嬉しいニュースとなりました。
詳しくお聞きすると、これまでに収集された
およそ3000種類のブックカバーの中の
350点ほどの1つとして掲載されたそうです。
デザインのご依頼をくださった、
天牛堺書店さま、ホウユウ株式会社さま、つーる・ど・堺さま、
選んで下さった書皮友好協会の皆様、グラフィック社さま、
本当にありがとうございました。
 
この本は、9月25日発売とのことです。
皆様がお住まいの地元のリアル書店でお求めいただき
(堺にお住まいの方はもちろん天牛堺書店さんで♪)
それぞれの本屋さんがブックカバーに込めた思いに
ふれてみてくださいね。

みちくさスケッチ22 紅白の「がく」が美しいミズヒキ

【みちくさスケッチ 第22回】
 
日常的に、草花スケッチを続けているくさはらかなさん。
その活動が、ご自身の創作絵本にもいかされています。
 
この時期目にする、気になる草花について、
イラストエッセイで綴っていただきます。
 
毎月第4木曜日に更新予定です。
 

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「今日はあれを描こう」と決めて出かけても、
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そんな私からの「みちくさスケッチ」の報告です。

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【ミズヒキ(水引)タデ科】
見られるところ・・・日本全国の山道、やぶかげなど

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夏が去る 秋が来る
実りの季節が やってくる
花も葉も青い実も 秋の衣装に着替えたら
紅白の花の紐を おそろいで結びましょう

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ミズヒキを見て私が最初に思いだすのは、
祖父の庭の景色です。
こんもり茂った庭木の下をのぞくと、
濃い緑を背景に小さな赤い点々が
くっきり浮かびあがって見えるのです。
こんなところにそっと植えてあるんだから、
特別な植物なのかな・・・と思っていました。
 
大人になってからも、
ずっと園芸品種だと思いこんでいたので、
スケッチに出かけた秋の野原で再会した時はとても驚きました。
 
ミズヒキの花に花びらはなく、
「がく」というものが四枚ついているだけです。
しかしこれが見事に紅白になっていたおかげで風情のある姿となり、
また紅白の水引を連想させて、こんな名前がもらえたのです。

受粉がすむと、がくは色を保ったまま閉じて実が育ち始めます。
先端のかぎのような部分は、めしべの一部が残ったもので、
これで動物の体や人の衣服にくっついて遠くへ運ばれます。
この作戦がうまくいかなくても、
付け根からばねのように外れて飛ぶこともできるので、
準備は万全です。
 
ミズヒキは8月から10月にかけて育ちますが、
私は長い間
「おじいちゃんの庭ではいつでも咲いてなかったっけ」
と思っていました。
暑い夏、木かげをのぞいて花を見つけ、
涼しげに感じた記憶はまあ正しくても、
初夏の頃や真冬に見たというのは、明らかに勘違いでしょう。
記憶は修正されましたが、いまも私の中のミズヒキは、
秋の野原と緑の暗がりという二つの景色の中で、同時に咲いています。

 
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(次回は、9月22日(木)更新予定です。)

みちくさスケッチ前回(第21回)はコチラ。


くさはらかなさんのseedbooksを販売しています。
くさはらかなさんの商品ページへ


 
【筆者プロフィール】
 
くさはら かな
 
京都の大学で日本画を専攻。
卒業後に身近な野草や樹木、木の実など、自然を題材にした絵本作りを始める。
画材は色鉛筆、透明水彩。
時々は、大好きなミツバチを絵の中で遊ばせて、楽しむこともあります。


参加予定の作品展
 
「京都アートフリーマーケット2016秋」

ドングリの絵やブックカバー、ポストカードを中心に販売します。
どうぞお立ち寄りください。
2016年9月17日(土)~19日(月・祝)  
AM11:00~PM5:30(最終日PM5:00)
京都文化博物館 別館及び周辺会場にて
「くさはら  かな」別館エントランス・C-5ブースにいます。
〒604-8183 京都市中京区三条高倉 TEL.075-222-0888
詳しくは公式HPをご参照ください。
http://www.kafm.jp/
 

 
 
 

みちくさスケッチ21 種が力強く弾け飛ぶカタバミ

【みちくさスケッチ 第21回】
 
日常的に、草花スケッチを続けているくさはらかなさん。
その活動が、ご自身の創作絵本にもいかされています。
 
この時期目にする、気になる草花について、
イラストエッセイで綴っていただきます。
 
毎月第4木曜日に更新予定です。
 

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「今日はあれを描こう」と決めて出かけても、
途中で面白いものを見つけると、つい足が止まってしまいます。
地面にしゃがんで観察を始めれば、
描きたいものがまた増えたなぁ・・・とため息。
そんな私からの「みちくさスケッチ」の報告です。

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【カタバミ(片喰・酸漿草) カタバミ科 マメ科】
見られるところ・・・日本全国の道ばた、草地など

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いつもの道の片隅で かれらはじっと待っている
緑の実をさし出して 「さわってごらん」と言っている
わたしは「そおっと」 きみは「ぎゅっと」
つまんでみたら ピシッ!パチッ!
種が 手を打ってきた!

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近所の草地で、カタバミが地面いっぱいに広がっています。
いつもはそれを見下ろして描くばかりでしたが、
今年は、石垣のすき間を飾るように生えた様子が気に入り、
こんな絵にしてみました。
 
原稿を準備する間、カタバミについて改めて感じたのは、
種がはじけ飛ぶ力の強さでした。
子供の頃、どきどきしながら実に触って、
「ピシッ」ときた瞬間、さっと手を引っ込めたことを思い出します。
今回はこのしくみをきちんと分かってから絵にしようと思い、
実を集めてじっくり観察しましたが、
種は小さい上、飛ぶスピードが速くてなかなか大変・・・。
結局、図鑑やインターネットにも助けてもらいました。
 
カタバミの種は、実の中では一つ一つが透明な袋に包まれています。
熟した頃に外から刺激が加わると、袋が破れて裏返しに丸まり、
その勢いで実がたてに裂けて、種が飛び出すのです。
これを知ったあとでもう一度観察すると、
「なるほど、ここはこうなってたんだ!」と納得でした。
 
それにしても、近頃の図鑑は見やすい写真や説明が満載、
インターネットでは種がとぶ瞬間の動画もあって、
便利な世の中だなぁと感心してしまいます。
でも、これだけ眺めて
「へぇ~」「あぁわかった」でおしまい・・・ではもったいない!
自然界の不思議は、やはり一度は実際に体験してほしいと思います。
 
さて、今月は特別に、画中の小さな仲間
「ヤマトシジミ」のこともご紹介しましょう。
この連載でもおなじみの、身近なチョウの一種ですが、
じつは、かれらの幼虫の食べ物はたった一つだけ。
それがこのカタバミです。
庭や畑を持つ人たちの間では、
繁殖力の強さゆえに嫌われ者になっている草ですが、
根こそぎ取ってしまうのはちょっと待って。
小さな住人たちのために少し、残しておいてくれませんか。

 
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(次回は、8月25日(木)更新予定です。)

みちくさスケッチ前回(第20回)はコチラ。


くさはらかなさんのseedbooksを販売しています。
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【筆者プロフィール】
 
くさはら かな
 
京都の大学で日本画を専攻。
卒業後に身近な野草や樹木、木の実など、自然を題材にした絵本作りを始める。
画材は色鉛筆、透明水彩。
時々は、大好きなミツバチを絵の中で遊ばせて、楽しむこともあります。
 
 

みちくさスケッチ20 シロツメクサの色違い?アカツメクサ

【みちくさスケッチ 第20回】
 
日常的に、草花スケッチを続けているくさはらかなさん。
その活動が、ご自身の創作絵本にもいかされています。
 
この時期目にする、気になる草花について、
イラストエッセイで綴っていただきます。
 
毎月第4木曜日に更新予定です。
 

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「今日はあれを描こう」と決めて出かけても、
途中で面白いものを見つけると、つい足が止まってしまいます。
地面にしゃがんで観察を始めれば、
描きたいものがまた増えたなぁ・・・とため息。
そんな私からの「みちくさスケッチ」の報告です。

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【アカツメクサ(赤詰草)別名ムラサキツメクサ(紫詰草)マメ科】
見られるところ・・・日本全国の道ばた、土手など

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梅雨の合間に まぶしい晴れ間
暑さに文句を言いたいときも
自転車こいで 出かけてみよう
赤い帽子と緑の服で こっちに向かって手をふっている
仲間が むかえてくれるから

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いま住む街には大きな川があり、
両岸には四季を通じて、様々な野草が見られます。
特に上流は緑豊かで、6月から7月にかけてはアカツメクサの出番。
エメラルドグリーンと赤紫の広がる景色を初めて見たとき
「これは絶対描きたい!」と感激したことを、今もよく覚えています。
 
しかしいざ通い始めると、ここでのスケッチは大変なことが分かってきました。
日ざしを遮るものが少なく、昼間は私も草も、暑さでぐったり。
(画用紙まで日焼けしていた事もありました!)
逆に少し涼しい時間には、蚊の大群にうんざり。
そして日よけがないということは、夕立を避ける場所もないということで、
雷が聞こえるとドキドキ・・・。
 
でも一番の難題は、遠目には単純に見えたこの草に細かい特徴が多く、
描くのに時間がかかるということでした。
 
子供の頃、アカツメクサは「シロツメクサの色違い」のようにして覚えていました。
でも実際は、二つの姿はだいぶ違います。
例えばアカツメクサはまっすぐ立って生え、
地面を這うように育つシロツメクサより「のっぽ」に見えます。
また、全身に細かな毛があり、ほとんど毛のないシロツメクサとは対照的です。
花の部分の特徴も面白く、こちらは花のすぐ下にも葉がつき、
束にすると、数本だけでもかなりのボリューム感。

他にも色々ありますが、何より一本一本の立ち姿が個性豊かで、
モデル探しについ時間をかけてしまうのです。
 
そんなこんなで、満開の景色を描けるのはいつになることやら・・・。
毎年、スケッチの数が目標に届かないまま、シーズンは終了。
色あせた花に「来年もくるから」と約束する頃、街は本格的な夏に突入します。

 
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(次回は、7月22日(木)更新予定です。)

みちくさスケッチ前回(第19回)はコチラ。


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【筆者プロフィール】
 
くさはら かな
 
京都の大学で日本画を専攻。
卒業後に身近な野草や樹木、木の実など、自然を題材にした絵本作りを始める。
画材は色鉛筆、透明水彩。
時々は、大好きなミツバチを絵の中で遊ばせて、楽しむこともあります。

 
 
 

みちくさスケッチ19 薬効に富み「十薬」とも呼ばれるドクダミ

【みちくさスケッチ 第19回】
 
日常的に、草花スケッチを続けているくさはらかなさん。
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「今日はあれを描こう」と決めて出かけても、
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描きたいものがまた増えたなぁ・・・とため息。
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【ドクダミ ドクダミ科】
見られるところ・・・本州・四国・九州・沖縄

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春から夏への境目は
暑さと雨に耐える時期
花の姿に 涼みましょう
葉をつみ つくる 癒しのお茶も
今年は 試してみましょうか

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雨上がりの空気が「しっとり」から「じっとり」に変わり始めた頃、
雨宿りをしている足元には、緑のハート型と、
白い十字型がいくつも見られるようになります。
 
ドクダミは「十薬(ジュウヤク)」とも呼ばれるほど薬効に富み、
昔から人々に頼りにされてきた野草のひとつです。
花が咲く頃に摘むのが一番良いそうで、旬は正にこれから。
生の葉は揉んだりすりつぶしたりして、様々な肌トラブルの薬に。
干したものは、お茶はもちろん入浴剤にもなるのだとか。
身近な草でありながら、こんなに?というほどの使い道の多さに、
ただただ感心してしまいます。
 
この草のスケッチを始めてまもない頃、
図鑑を開いて驚いたことがありました。
あの白い十字型は、中央の黄色い部分だけが花で、
花びらに見えたのは苞(ほう)という葉の一種だったのです。
 
苞は植物によって色々な姿をしており、
ドクダミの場合は、進化の過程で、
虫を呼ぶために目立とうと姿を変えたからではないか、と言われています。

ちなみに、調べ物の最中に本で見つけた「ヤエドクダミ」と言う品種は、
白い苞が八重咲きになっていて、何とも豪華。
今のドクダミは虫が来なくても種を作れるそうですが、
こんな姿を見かけたら、用がなくてもついつい立ち寄ってしまいそうです。
 
最後に、ドクダミと言えば、あの独特な「匂い」も忘れられません。
今はそれほどでもありませんが、子どもの頃は大の苦手でした。
学校の草引きの時間でも、
なるべく触らないように気をつけていたほどです。
しかし、その後で祖母の家に遊びに行くと、
庭のあちこちから“抜きたて”の匂いがぷんぷん、ということも・・・。
摘んだばかりの葉を干す祖母の様子とあわせて、
どれも懐かしく思いだされます。
 
 
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(次回は、6月23日(木)更新予定です。)

みちくさスケッチ前回(第18回)はコチラ。


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【筆者プロフィール】
 
くさはら かな
 
京都の大学で日本画を専攻。
卒業後に身近な野草や樹木、木の実など、自然を題材にした絵本作りを始める。
画材は色鉛筆、透明水彩。
時々は、大好きなミツバチを絵の中で遊ばせて、楽しむこともあります。


参加予定の作品展
 
「世界一小ちゃい!?ミニ絵画 京都展」

全て、額を入れても手の平サイズの「ミニ絵画」で構成された合同作品展です。
イラストレーションから油彩、版画、貼り絵まで、壁いっぱいに並びます。
私は主に色鉛筆画で参加します。どうぞお気軽にお越しください。
2016年6月14日(火)~26日(日) 20日休業 
AM11:00~PM7:00(最終日PM5:00)
ちいさいおうち Gallery Little House
〒600-8491京都市下京区鶏鉾町478 Tel:090-9977-1559
詳細HP
http://motoaki.jimdo.com/
 

 

みちくさスケッチ18 昔はよく目にしたレンゲソウ

【みちくさスケッチ 第18回】
 
日常的に、草花スケッチを続けているくさはらかなさん。
その活動が、ご自身の創作絵本にもいかされています。
 
この時期目にする、気になる草花について、
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毎月第4木曜日に更新予定です。
 

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「今日はあれを描こう」と決めて出かけても、
途中で面白いものを見つけると、つい足が止まってしまいます。
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レンゲソウ(蓮華草)マメ科】
見られるところ・・・日本全国の田んぼ、草地

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咲いた 咲いたよ レンゲの花が!
あまい蜜を とりに行こう
ふんわり花粉も あつめに行こう
おや きみが いちばんのりかい?
ついつい うたたねしてたって?
ねぼけてないで はたらかなくちゃ!
花は まってくれないよ

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レンゲ畑について話すとき、必ず飛び出すのは
「懐かしいね」「近所じゃもう見ないね」・・・
私も、そこで遊んだ一番新しい記憶は幼稚園のときのことです。
 
レンゲソウが田んぼで栽培されていたのは、
この草の根に、肥料となる養分を作りだす特殊な菌が住んでいるからです。
稲刈りのあとで種をまき、よく年の春に花を咲かせ、
初夏、田植え前の土にすべてを鋤きこめば、よい肥料となってくれます。
しかし、自然素材ゆえの扱いの難しさもあり、
便利な化学肥料に押されて、姿を消していきました。
 
田んぼそのものも、
私たちの住む場所からずいぶん遠くなったなぁと思います。
ミツバチの絵本を作ったときも、
背景にレンゲ畑を描こうと決めて、いざスケッチしようとすると、
実物がなかなか見つからないことに戸惑いました。
「昔はもっとあったはず・・・?」
自転車を走らせ、情報を集め、ついに母のお友達から
「うちの田んぼにあるから、どうぞ取りにきて」と
お返事があった時の嬉しさといったら!
 
昨年の春には、幸運なことにもう一か所、新たな畑を見つけ、
花やつぼみはもちろん、実(絵の左端にあります)まで、
スケッチが少しずつ増えています。
田んぼの持ち主の方、
探すのに協力してくれた母に大いに感謝です。
 
ところで、レンゲソウは
おいしい蜂蜜も与えてくれますが、
国産のものは今や高級品。
日本のある養蜂家さんは、
わざわざ種を買って農家の人に蒔いてもらい、
そこで仕事をするのだとか・・・。
トーストやパンケーキにたっぷりかけるのが、
最高の贅沢に思えてきます。
 
 
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(次回は、5月26日(木)更新予定です。)

みちくさスケッチ前回(第17回)はコチラ。


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【筆者プロフィール】
 
くさはら かな
 
京都の大学で日本画を専攻。
卒業後に身近な野草や樹木、木の実など、自然を題材にした絵本作りを始める。
画材は色鉛筆、透明水彩。
時々は、大好きなミツバチを絵の中で遊ばせて、楽しむこともあります。
 

みちくさスケッチ17 わたしにとって特別な一本のサクラ

【みちくさスケッチ 第17回】
 
日常的に、草花スケッチを続けているくさはらかなさん。
その活動が、ご自身の創作絵本にもいかされています。
 
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「今日はあれを描こう」と決めて出かけても、
途中で面白いものを見つけると、つい足が止まってしまいます。
地面にしゃがんで観察を始めれば、
描きたいものがまた増えたなぁ・・・とため息。
そんな私からの「みちくさスケッチ」の報告です。

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サクラ(ソメイヨシノ)バラ科】
見られるところ・・・北海道南部、本州、四国、九州

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さくらの花びら ふる ふる
はらはら きらら ふっている
今日はひとりで あすは友と
花吹雪にさそわれ 毎日が宴

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春、サクラが見頃を迎えても、
地面の上の野草ばかり描いていた私。
本当は挑戦したい、
でも、花ざかりの枝が空いっぱいに広がる姿は圧巻すぎて、
どこからどう描けばいいのか・・・。
迷っては結局、鑑賞するだけの春が何度も過ぎました。
 
初めて木の下でスケッチブックを広げたのは、
ある時、描かずにはいられないような
見事なひと枝を見つけたからです。
手持ちの画材で、なんとなくいつもと違う描き方をしてみると、
するすると手が動き始めて驚きました。
今思えば、サクラの“魔力”だったのでしょうか。
 
それからは毎年、花見の賑わいを遠くに見ながら
スケッチを続けています。
花冷えの辛い日も、一年後にはまた一つ、
新しいサクラの絵が描ける!と思って耐えるのみ。
描き終われば、温かい飲み物とおやつでひと息つける、
花見のひと時が待っています。
 
日本のサクラは野生種だけでも10種、
ソメイヨシノを含む園芸品種は300種もあるそうです。
名木とたたえられるものも多く、
一度は満開の景色を見てみたい・・・と憧れが募ります。
 
しかし、有名、無名は関係なく
「私だけの一本」と呼べるサクラがあるという人も
多いのではありませんか。
私も、スケッチを始めてから特に、
自分の大切にしたい木や風景が増えました。
今月の絵の背景にあるのもそのひとつ、
この風景を見た時の自分の心情が忘れられず、
どうしても描きたかったものです。
 
 
********************************

(次回は、4月28日(木)更新予定です。)

みちくさスケッチ前回(第16回)はコチラ。


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【筆者プロフィール】
 
くさはら かな
 
京都の大学で日本画を専攻。
卒業後に身近な野草や樹木、木の実など、自然を題材にした絵本作りを始める。
画材は色鉛筆、透明水彩。
時々は、大好きなミツバチを絵の中で遊ばせて、楽しむこともあります。


参加予定の作品展
 
「YogiYogiの小さな小さな絵本村15」

企画コーナーに、どんぐりを題材にしたイラスト冊子で参加します。
2015年3月19日(土)~4月11日(月) 
営業時間や休業日は下記HPでご確認ください。
雑貨・アート・手作り絵本の店「YogiYogi 」
詳細HP
http://www.golf-baxter.com/yogiyogi/index.html
 

 

みちくさスケッチ16 ホトケノザの"赤いボタン"の秘密

【みちくさスケッチ 第16回】
 
日常的に、草花スケッチを続けているくさはらかなさん。
その活動が、ご自身の創作絵本にもいかされています。
 
この時期目にする、気になる草花について、
イラストエッセイで綴っていただきます。
 
毎月第4木曜日に更新予定です。
 

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「今日はあれを描こう」と決めて出かけても、
途中で面白いものを見つけると、つい足が止まってしまいます。
地面にしゃがんで観察を始めれば、
描きたいものがまた増えたなぁ・・・とため息。
そんな私からの「みちくさスケッチ」の報告です。

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【ホトケノザ シソ科
見られるところ―本州・四国・九州・沖縄

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いつもの道ばた いつもの公園
きょうも 花からみつをひと口
この味を教えてくれたのは そういえば誰だっけ
お母さん? 友達? 先生?
もしかすると ちいさな虫たち?・・・だったかも

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もうずいぶん前から、この草に心ひかれていました。
絵は虫の目線に合わせ、大きく描きましたが、
実際はもっと小さくて、すぐには目に止まりません。
でも、鮮やかな二色の組み合わせに加えて、
細かな毛におおわれた葉や花はどこか上質な質感。
小さいながら存在感がありますし、
花をたくさんつけて集まっている景色はなかなかのものです。
 
絵に描くとき苦労するのは、何といっても葉っぱでしょう。
ふちの切れ込みと、
いったいどういう基準で結ばれているのかと悩んでしまう葉脈。
その複雑さと細かさにはいつも目が回ります・・・。
でも、子どもの頃からの愛着に加え、
この草の隠れファンが意外と多いことも知っているので、
いい加減には描けません。
 
この草を見るたびに
「緑の洋服に赤いボタンがついてるみたい」と思うのは、
子どもの頃も今も一緒です。
では、その「赤いボタン」の正体は?
正解は「つぼみ」ですが、実はここに秘密があります。
 
この草を持ち帰ってから
「開かないままのつぼみがある」と気づいた人はいませんか?
これは「閉鎖花(へいさか)」と呼ばれ、
虫が来ない時はこの中でおしべとめしべが触れ合い、
自力で受粉ができるという特別な花なのです。
 
この仕組みをもつ植物は他にも知られていますが、
ふつうの花も咲かせて虫を呼びながら、
さらにひと工夫するかれらの力、大したものです。
 
 
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(次回は、3月24日(木)更新予定です。)

みちくさスケッチ前回(第15回)はコチラ。


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【筆者プロフィール】
 
くさはら かな
 
京都の大学で日本画を専攻。
卒業後に身近な野草や樹木、木の実など、自然を題材にした絵本作りを始める。
画材は色鉛筆、透明水彩。
時々は、大好きなミツバチを絵の中で遊ばせて、楽しむこともあります。


参加予定の作品展
「京都アートフリーマーケット2016春」


「G8ブース くさはらかな」で出展。
色鉛筆のイラスト原画他、ポストカードやブックカバーを販売します。
2015年3月19日(土)~3月21日(月・祝)
11:00~17:30(最終日~17:00)
京都文化博物館 中庭内
詳細HP
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kafm/index.html
 
「YogiYogiの小さな小さな絵本村15」

企画コーナーに、どんぐりを題材にしたイラスト冊子で参加します。
2015年3月19日(土)~4月11日(月) 
営業時間や休業日は下記HPでご確認ください。
雑貨・アート・手作り絵本の店「YogiYogi 」
詳細HP
http://www.golf-baxter.com/yogiyogi/index.html

 
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